「自分で決めたこと」に納得しよう

人から言われたことが正しい場合…

それでも、言い方がキツかったり、いやな言い方をされたりすると、気分はよくありません。

内容は正しいのに、なぜでしょう。

正しいことを言われたのに、気分がよくならない理由

正しさは人それぞれだから

正しいことが一つに決まる場合もあります。

たとえば、物理法則はだれがあつかっても同じです。何かに衝突したら、だれでもけがをします。

パソコンのキーボードの配列も同じです。正解が決まっています。

道徳的に同じこともあります。ぬすみや暴力がいけないのは、すべての人に共通でしょう。



しかし、これら以外のことは、ほとんど、人によって、正しさがちがいます。


明るい性格が良いという人もいれば、冷静な性格が良いという人もいます。

物をもらったらお返しをするのが当たりまえと考える人もいれば、

まずは感謝して受け取ることができればそれでよし!と考える人もいます。

人それぞれ、それが正しいと考える理由がいろいろあります。


常識だと言われていることでさえ、それは相手の常識であって、自分の常識ではないかもしれません。

だから「自分が正しい」「お前が間違っている」と言われると、気分はよくありません。


見方がちがうだけ

小学5年生の算数で「円柱」という図形を習います。

円柱は真上から見ると「円」に見えます。

真横から見ると「四角」に見えます。


「円」も「四角」も、どちらも正しいです。

見方が違うだけです。

物事は、見方を変えれば、どちらも正しいといえることのほうが、圧倒的に多いのです。

一つの見方しかせず、別の見方を否定してしまうのが「偏見」です。

「偏見」したほうも、されたほうも、気分がよくありません。


気分よく納得するには

自分の内側の声を信じる

他人からの「説得」で、しかも「正論」だった場合は、なおさら、

好きこのんで「納得」しようとは思えません。

「目上の人と話すときは帽子をとれ!」ともし言われたら、

ごもっともですが、反発したくなる気持ちが出るでしょう。


内容は同じでも「帽子をとって話したら、礼儀を守れる。相手を立てることになる」と

自分の心の内側でつぶやき、その声に聞きしたがったほうが、

納得感をもってそのとおりにできます。


自分で決める

「勉強しなさい!」

「宿題しなさい!」

これは言われていることは正しいです。だけど、いったんは言うことを聞いても、やらされてやることは続きません。

教育心理学の言葉で「外発的動機付け」とよばれるものは、短期的には効果がありますが、

長くは続きません。

一方「この宿題をいつまでに終わらせて、一日ののこりを余裕をもって過ごそう!」と自分で決めたことは、長く続きます。

教育心理学の言葉で「内発的動機付け」です。


「勉強しなさい」の言葉に反発している状態は、実は自由ではありません。


自立して、自分の意志で「勉強しよう!」と取り組んだ時、本当の意味で自由になれるし、成果が長続きします。



正しさを押し付けられたときの対処法

内容はうけとめる

言い方はいやかもしれません。

ただ、相手は本当に自分のためを心配してくれて言ってくれているかもしれません。

言われたことが、もし自分の成長に役立つことならば、それは受けとめて、

これからの自分に活かしていきましょう。

相手が批判したいだけの場合は受け流す

相手がもし、自分を言い負かしたいとか、マウントをとりたいと思ってそう言っている場合、

内容に、明らかに納得できないような場合は受け流します。

真に受けなくてよいのです。

けんかはしない

同じようにして言い返したら、けんかになってしまいます。

相手と同じ土俵には立ちません。


だまって、その場から離れるなどして、トラブルのもとをやりすごすのも、賢い判断です。


意見や気持ちを伝えてみる

「自分はこう考えている」

“私メッセージ”として、自信をもって伝えてみましょう。


言い方があまりにもいやだと思ったら、率直に「そういう言い方は嫌だな」と伝えてみましょう。


相手が本当に自分のことを気にかけてくれている人、心の大きい人ならば、

その気持ちを受けとめてくれるでしょう。

ただ、残念ながら、そうでない場合のほうが多いかもしれません…。

距離を置く

相手を変えることはできません。

互いに正しさを持っていて、それがぶつかってしまう場合、話は平行線をたどります。


相手が、自分の考えを否定する姿勢が変わらなければ、それはもう仕方がありません。

「どっちが正しい」の決着をつけようとしても、意味がないのです。

そういうときは、互いのために距離を置くほうがよいでしょう。


誰とでも仲良くしなきゃと頑張らなくても大丈夫です!