国語力を伸ばす、論理的な思考

「国語はセンスだから、勉強のしようがない…」


数学の計算は得意だけど国語は苦手!
という人で、そのように思う人は多いかもしれません。


今回の記事は

「ふだん、本や新聞なんて読まないから、説明文なんて全然理解できない」

「自分は感性が豊かじゃないから、登場人物の気持ちなんてわからない」

と思っている人に、ぜひ伝えたい内容になっています。

国語力を伸ばすための5つのアイデア

必ずしも、読書をたくさんしなくてもいい

最初に言います!

国語が得意になるために、本や新聞をたくさん読む必要はありません

もちろん人生において、読書はとっても大事ですよ!

本や新聞を読むことで、普段の生活ではふれない、いろんな知識や見方と出会えます。

でも、学校や入試の国語のテストで点数を伸ばすには、必ずしも読書しなければいけないということはありません。

なぜなら、テストで出題される問題は決して、豊富な感性や知識を試すものではないからです。

テストで試されるのは「問題文を、筋道を立てて正確に読みとることができるか」です。


学校の授業や国語の宿題を通して「読みとり方」を身につけることができればよいのです。

テストの答えは一つ

芸術や工作なら、正解は無限大にあります。

それらは、自由な発想でいろいろ創り出すほうが面白いです。


討論でも、いろんな考え方がくりひろげられるほうがいいです。


国語の教科書の題材にもなる文学作品や評論文、それ自体には、そうした表現の自由が多彩に現れます。



しかし、テストで出題された問題に答えるとなると、答えは一つです。

つまり、出題した人が、受験者に、何を答えさせたいのかを読みとって、それを答えに書けばマルがもらえるということです。


“国語という教科”の主な目的は、次の通りです。

国語を適切に表現し正確に理解する能力を育成し,伝え合う力を高めるとともに,思考力や想像力及び言語感覚を養い,国語に対する関心を深め国語を尊重する態度を育てる。

文部科学省 小学校学習指導要領 第2章 各教科 第1節 国語
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/syo/koku.htm

もちろん、学校で教わる国語には「感性を味わう」こともありますが、

文章を正確に書いたり、読みとったりすることが大切なのがわかりますね。

出題者の意図の通りに答える

物語文で、主人公が「笑っている」場面。

あなたなら、笑うのは楽しいときかもしれません。

では、テストで「下線部(「○○さんはほほえみを浮かべている」など)の心情を読みとりなさい」という問題が出たら、

「○○さんは楽しい気持ちだ」

と答えてもよいのでしょうか。


必ずしもそうではありません。いや、そうではないことが大半でしょう。

文を読んで、主人公が本当は悲しいけど無理に笑っている、と読みとれたなら

「悲しんでいるが、無理に笑っている」

ということを答えに書きましょう。

自分の“常識”を一切入れずに、問題文から答えを探すことで、はじめて正解にたどりつきます。


なんなら、文章の作者の意図よりも、テストを作成した先生の意図のほうが優先です!

もちろん出題された文章には作者の想いがこもっています。

しかし、極論ですが、万が一、仮に、作者と出題者の考えが合っていない場合は、出題者の考えに合わせて答えを書きます。

誰が聞いても納得する答えを選ぶ

学力試験のほとんどは、誰が採点しても同じ点数になるように、客観的につくられています。

テストの正解に、個性や感情が入る余地はありません。

そこで重要になってくるのが、誰が聞いてもそうだといえる答えを書くということです。

選択式の問題なら、正しい答えは“論理的”に一つにしぼることができます。

記述する問題なら、正しい答えに必ず含むべき“キーワード”や“内容”があります。


さらに、答えの根拠はすべて問題文にあります。自分で一から答えを作り出す必要はありません。

問題によっては、自分のことばを含めるものもありますが…

基本的には、答えは問題文から探しましょう。

論理を使いこなす

「国語力」を言いかえると「筋道を立てて読む、聞く、書く、話す力」となります。

筋道とは「意味のつながり」つまり「論理」です。


意味をつなげることばといえば「接続語」です。文章を理解するとき、一番注目したいのは接続語です。

接続語は、数学で出てくる式に似てますね!

理系の人なら、なおさら数式を見ているような感覚で読みとりましょう。

接続語の例をあげると次の通りです。


つまり 直前に言ったことをまとめる

 例 「僕が好きなことは、野球、サッカー、バスケ。つまり、スポーツだ。」 


たとえば 直前に言ったことを具体的に述べる

 例 「果物には甘いものが多い。たとえば、イチゴ、ブドウ、リンゴだ。」


確かに 前の事柄をみとめることを述べる

例 「A君は、先日のサッカーの試合で2本のシュートを決めました。確かにすばらしい記録です。」


しかし 前の事柄と対立することを述べる

例 「お菓子はおいしい。しかし、食べすぎると健康に悪い。」


なぜなら 理由を述べる

例 「僕は昼休みにドッジボールをするのに賛成です。なぜなら、遊びを通してみんなが仲良くなるからです。」